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表彰が企業にもたらすもの

「表彰」が企業にもたらすもの

「表彰」が企業にもたらすもの

 企業表彰や周年行事を経営に取り入れるメリットについて、石原明先生にお伺いします。なぜ今、このビジネスを始めようとされたのでしょうか?

石原 明

石原: コンサルタントの業務をしていますと、たくさんの中小企業の社長さんとお会いします。その中で、起業に関する情報が多いのに対して、経営、つまり組織運営に関する情報・手法はものすごく少ないということに気づきました。

実際、起業と経営とでは、「1対9」くらいの割合で、経営(=組織運営) のほうが難しいんですね。その組織運営の中で、どのような方法で組織を上手にコントロールするか、例えば、組織全体が成長していくために、上向きのベクトルをつくろうと考えた時、表彰制度のようなものが有効だと。

もちろん周年行事も、大きく捉えると表彰事業の一環として含まれますね。これらの試みを組織運営に取り入れることが非常に重要だと常々思っていたんです。

今、日本経済はマーケット的にも、経営的にも大変な状況になっていますよね。そういった中で(表彰制度を取り入れることは)一つのカンフル剤になるのではないでしょうか。

会社が表彰制度をきちんと経営の中に取り入れていくことで、会社自体が活性化したり、あるいは、世の中全体が前向きに発展するのではないかと。そういうことを根底に考えながらこの事業をスタートしようと思いました。

川合さんは、例えば表彰の肝はどんなものだと思いますか?

成績がよかった人が皆の前でほめられるとか、何か会社に貢献したとか、そういうことでしょうか?

石原: そうですね。例えばスタッフが何か行動して正しく評価される。そうするとそれが会社の方針として正しいという、ひとつの判断になるわけです。逆に、一所懸命に頑張っていても、頑張っていなくても、上司が同じ対応だとスタッフはどういうイメージを持つと思いますか?

頑張る人ほど評価されないと腐ってしまう。頑張らない人も「別に頑張らなくてもいいんだ」というふうになり、結局は会社全体のモチベーションが下がるのではないでしょうか。

石原:そうですね。それを防ぐために評価制度というものもあるのですが「これ以下になると処罰されますよ」という意味合いが大きくなるんですね。それに対して表彰制度は頑張ったことが、経営者にだけではなく、会社全体としても正しく公に認められるということです。頑張ると評価され、頑張らないと評価されない、という評価基準が明確になります。

川合 俊哉

やはり全員が全員、高いモチベーションでその企業のビジョンや社長の考えに「右向け、右」と共有できることが理想だと思います。しかし、一般に言われるよう に2割は意欲的に働いて、6割は言われたことはやる、そして残りの2割は言われてもやらないという……状況が多いように思います。

私個人の考えですが、方針が合わないスタッフを引っ張っていくことは、企業にとってだけではなく、そのスタッフにとっても必ずしもよいことではないと思います。

優秀な企業では「会社の方針に合わないスタッフは次の違う道で生きていくほうが、お互いによいのではないか」というような事をベースに、仕組みとして取り入れているところが多いですね。


石原: 会社とはとどのつまり組織運営ですからね。これはちょっと厳しい言い方ですが、ある程度、経営者側で、「一つの目標に対して、集団で頑張っていく姿勢」をコントロールできるような体質をつくらないと、なかなか難しいと思います。

皆さんはあまり気づいていないと思うのですが、表彰制度というのは、自然にそういう流れを生みだすという意味で、経営の手法としても非常に大きな役割を持つのではないかと思うのです。

実は私はいろいろな会社のコンサルティングをしていく中で、会社の制度や枠組みも含めて上手にコントロールしている会社を何パターンも見てきました。逆に言うと、スタッフが野放しになっているというか、そういうことに経営者が一切気づいていない状態のままで、30人なり50人なり100人を一つの方向で動かすということは難しいですね。一方、それが仕組みとして成立していれば、自然と会社は上向きになるものです。

石原先生がそこまではっきり仰るのは初めて私は聞きました。

石原: 私も個人的には表彰すること、ましてや自分がされることは苦手というか照れくさいんです(笑)。ですが、組織に対して経営者がある程度の強制力を持っていない会社というのは、基本的に組織力が使えません。能力があるスタッフがいるということと、会社の目指す方向に向かって進むということは別なのです。

日本の会社は(海外の会社と比べて) 組織としての強制力を発揮できていない。私はそれをすごく危惧しています。働くということは、会社の意思に沿って社員の能力を引き出すこと。そういうことを、経営者の方が上手に自社の経営の仕組みの中に取り入れるということは非常に面白いのではないかと思っているのです。

経営者は目先のことにばかり集中して、人を育て組織をどう動かすかを軽視しがち

仕組み化することの重要性、習慣化ということですね。

石原: そうです。経営者がその都度説明するわけにはいかないですよね。そこで表彰制度なんですよね。

例えば表彰制度をどういうふうにつくるかというと、表彰の仕組みを上手に組み合わせていくのです。頑張った人が頑張ったように評価される、という当たり前のことがすごく重要なんですよね。

周年行事の場合は、実はもっといろいろな経営的な利用の方法があります。例えば、10周年という一つの大きな節目を迎える経営者の方には、「社員さんに何を伝えたいか」「取引先には何をアピールしたいか」「金融機関には何を印象づけたいか」……など俯瞰的な視野のもと決めていくことが重要。ところが、その大切さに気付かず、準備をしていないところが意外と多い。

そうですね。よく「忘れていた」と仰る経営者の方がいると聞きます。

石原: 周年行事は上手に使うと、組織もすごく変われるし、マーケットや取引先に対して大きな影響力を持つのに、あまり深く考えられていないですよね。

今お聞きすると、大企業のほうが周年行事や企業表彰などを比較的取り入れているように思いますが、中小企業にはほとんどそういう制度は入っていないような気がします。

石原: そのとおりです。中小企業がこういう企業表彰や周年行事をきちんとやらないのは理由があって、経営者が知らないからなのです。

やり方が分からない。

石原: それから、どれほど効果があるかということも見たことがないので、分からないみたいですね。例えば、大手の組織は「年間目標で頑張れ」ということはやりませんよね。

確かに、もっと小刻みです。

石原: そう、例えば四半期に分けて3カ月ごとの目標を作って、そこで必ず表彰制度を取り入れています。それが(大企業では)普通でしょう。

そうですね。もっと言えば、昨日の売上が翌日わかるというような本当に細かいタームで管理しています。窮屈ですが、そのかわりに、達成していない分すぐに取り戻せるので、それは逆に本気で営業をやっているものとしては有難い。

石原: 例えば同じ商品で、「1年間の目標を立てて頑張れ」と言うだけで表彰も何もしない会社と、四半期に分けて表彰制度を取り入れて営業するとどのくらい差がつくかというと、極端に言うと1.5、1.6倍の差がつきます。

表彰制度を取り入れると、売上げでそんなに差がつくのですか?

石原: そうですよ。そのくらい変わるのに、見たことがない、知らない、やったことがないから取り入れていないのです。そもそも大きな会社というのは社員に対する強制力を発揮しやすい。

というのも、企業というのは人を採用する時に、大企業のようにたくさんの中から選んで採用する場合と、「入ってください」とお願いして採用する中小企業とでは、そこで差が出てしまうのです。お願いされて採用された場合、やはり社員さんのほうが強い。

ところが、中小企業でも、組織の中にちゃんと表彰制度があって、それが文化になっていると変えられるのです。ひとつ例を挙げると、私が昔お世話した引越しの会社のケースがあります。その会社は野球が大好きなので、野球にちなんで年間の最優秀選手賞や新人賞といった、いろいろな賞を作っていました。 ところが、だんだんと続けていくうちに「ファイヤーマン賞」が一番人気を集めるようになりました。

ファイヤーマン… それは〝火消し〞ということですか?

石原: 何がファイヤーマンなのかというと、引越しというのは思わぬアクシデントに遭うことがある。荷物が入りきらなくなるとか、引越しが時間どおりに終わらないとか。そういうことに対して、自分の担当分を早く済ませた人が、他のスタッフのアクシデントを何件助けたかというのが表彰される。つまりそれがファイヤーマンなのです。

そういうことを会社として評価するという、その仕組みがすごいですね。

石原: ファイヤーマン賞をもらって表彰されている先輩を見て、新人はかっこいいと思うわけですよ。そうすると、次の日から自発的に腕立て伏せを始めたりするんですね(笑)。

それを経営者が言うとか、誰かが言うとかではなく、自分から勝手に始めるという。

石原: それは純粋に先輩をかっこいいと思うから。仕事ができて、仲間のために役に立っている人はかっこいいと思えるような組織づくり、というのが非常に重要なのです。

今の時代は経営者の方がものすごく目先のことに集中しがちです。マーケティングなどももちろん重要なのですが、人を育てるとか組織をどう動かすのかを軽視する傾向にあります。

経営者が、社員はどういうことを望んでいるかとか、どういうふうに評価してあげたらよいかということに目がいっていないんですね。1つの制度で、会社が変わることって実際にあります。中小企業はそういうことを知らない、軽視しがちなので、本当にもったいないんですね。

私は、事業を継承した方々に適しているではないか、と思っています。創業社長は会社を立ち上げるにあたり意欲的でがむしゃらにがんばるのですが、2代目や3代目の方は頭でわかっていても、具体的な形で落とし込めないでいます。仕組みとして特にこういう制度を取り入れたらよいのではないかと思うのですが。

石原: まったくそのとおりですね。企業が2代目、3代目、4代目という形で継承していく中で、段々と組織も大きくなりますから、経営者側の強制力とか組織運営の面をもっと強化していくべきなのです。

そのためのノウハウを、いろいろな形で提供しますので、参考にしていただければ有難いと思います。こういう試みを面白がれる会社はもっと伸びるのではないでしょうか。

プロフィール

■経営コンサルタント
石原 明
日本経営教育研究所代表、僖績経営理舎株式会社取締役。現在「成功哲学」「売れるしくみづくり」「成長のための組織づくり」「プロ経営者の育成」などをテーマに中小企業から大手企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「高収益トップ3%倶楽部」には、発足以来8年間で全国延べ3500社が参加。

■アワードプロデューサー
川合 俊哉
究和エンタープライズコンコード株式会社 事業開発室室長、経営コンサルタント。アイリスオーヤマ株式会社などに在職し、マーケティングセールス業務などで頭角を現し、昇進を重ねる。その後、関西のベンチャー企業に転職し、全社的な販売戦略、PR活動を担う。独立までの間で、中小企業の経営はビジネスモデルとマーケティングを前提とした組織化がすべてと痛感し、研究を重ねる。現在は、中小企業の経営者に対して、経営理念を取り入れた企業表彰制度導入のコンサルティングを行う。

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